子馬の焼印

2013年02月01日

夏の最初の月に母馬を捕まえ乳搾りを始め、秋の最初の月に放す。時には暖かい天候が続くと、放すのが遅くなる地域があるが、早めに放すと子馬が肥えるので、越冬するには安心である。
秋の縁起の良い日に、子馬を繋いでいたゼルにアルツの香を焚きく。最後の乳搾りを行い、子馬のハズナを外す。その後、ゼルを地面から外して巻き、杭を引き抜く。

その後の穴に、乳を垂らし、大麦や米を撒く。こうして、来年も子馬が沢山産まれ、馬乳酒ができるよう祈願する。そして、その穴に家畜がつまずかないように、穴を丁寧に埋める。

子馬のハズナを外す前に焼印を行う。赤く熱した印のついた鉄を馬の左尻に当てる。この行事は、もちろん祖先から引継がれてきたものであるが、近年になって馬泥棒も増え、その対策も兼ねて、焼印は行われているようである。

全ての焼印が終わると、使用した鉄の印を馬乳酒に浸す。家によっては、その鉄の印から手のひらに直接馬乳酒の滴を垂らしてもらい、飲む。または、その馬乳酒をその後の宴会で飲んだりする。

焼印を終えると、子馬のレースを楽しみながら放す。まずは、母親を一定方向に追いたて、遠くにやる。その間、各自は1頭ずつ子馬を抱き、一斉に放す。誰が一番早く、母親馬に追いついたかを楽しむのである。中には、毎日放牧へ行っている方向へ迷わず走っていってしまい、爆笑の元となる。全ての子馬が母親と寄り添うのを見届けた後、宴会となる。

焼印の種類