フェルト作り

2012年10月01日

羊や子羊の毛を刈るのが終わると、フェルト作りが始まる。フェルト作りは、夏の中旬にだけ行われる。これが遅くなると、家畜の太り具合に影響を与える。

早くから毛を打つ準備を始める。昨年取っておいた短い毛を用いても良い。毛刈りとフェルト作りは男性の力量が求められる仕事でもある。羊毛脂は暑いと固まらないので、雲も風も無く太陽が照りつける暑い日に、毛を打ってフェルトを作る。雲が少しでも太陽を隠せば、仕事を中断する。毛を打ってフェルトを作る仕事は家族総出で行い、多くの人や馬が集まり、宴会となる。一同に集まる数少ない機会なので、遊牧民にとってフェルト作りは賑やかで楽しいものである。

毛を何日もかけて打つ。天気が良い日が続けば、そんなに日にちはかからない。作る量は、家によってはゲルを覆おう完全なもの、およそ3m×2mを10枚作り、ある家はゲルの壁に巻くフェルト、ウルフ、靴下、靴、敷物、ラクダに用いる座布団くらいを作る量を作る。

フェルト作りは、老若男女構わず参加する。打って準備した毛を古いフェルトの上に均等にちぎって置く作業は、女性が行うのが適している。均等にちぎって置き、水をかける。それをゴル(gol)という2アルド(1アルド=両手を広げた長さ)くらいの長さの丸い棒に巻きつけ、外側から皮でくるみ、細い皮紐できつく縛り、1、2頭の馬で引っ張る。そうするとフェルト自身が圧縮し合い、硬くなる。

フェルトを引っ張る馬は、何日も前からつないでおき、力を蓄えておく。地域によってはラクダを使うところもある。馬にとって、フェルトを引っ張る作業には、良い点と悪い点がある。良い点は、この作業を行うと馬の足が丈夫になるので、つまずかなくなる。悪い点は、時々胸部が腫れ上がり、すり傷ができてしまう点で、遊牧民はそれに注意を怠らない。この作業を終えると馬を太らせるために、すぐに放牧する。

馬で引っ張る時に、子供が馬に乗ると馬に良い。また、地面が平らでゴツゴツしていない場所で引っ張る必要がある。そうしないと、穴が開いたり、場所によっては薄くなったりしてしまう問題がでてくる。フェルトは、厚さが均等でまっすぐになるようにしなくてはならない。

最初に圧縮したフェルトをチェックして、少し薄みのある所に馬のたてがみを小さく切って散らして均等にし、強度を増す。